表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬
こんにちは、やしちです。
今回は「表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬」の感想を書いていきます。
「もくじ」
著者はオードリーの若林氏
2008年のM-1準優勝以降爆発的な躍進を遂げているお笑いコンビオードリーの若林さんが著者の旅エッセイです。
若林さんというと最近のテレビではMCを中心に活躍されています。立場上テレビではコメントに無難なところもありますが、ラジオ「オールナイトニッポン」では本領を発揮。
よく言えば感受性豊か、悪く言えば神経質。
相方の春日さんをギリギリまでいじり倒しています。実は私、リトルトゥース(リスナー)です。聞くべし!
なお、「本」というと又吉さんに隠れてしまっていますが、若林さんも読書家として知られています。
本の構成
最初の数ページは若林さんを被写体にしたカラー写真や、ご本人が撮影されたと思われる観光地が掲載されていました。
本誌内容としては、なぜキューバに行くことにしたのか、お国柄からくる手続きの大変さ、キューバでどのような体験をされたのか、そして帰国という構成です。
途中、若林さんが実際に訪れたキューバの市場や闘鶏場、ビーチなどの白黒写真がはさまれます。
若林節が満載
文体はラジオの若林さんですが、どこかノスタルジックというか懐かしさを感じさせます。
それは随所に日本での周囲のことが挟まれるためでしょう。友人のことや家族のことなどですね。
ただ相方である春日さんについては一切触れらていないところにも作家であること、芸人であることに一線を引いているようにも思えました。
本職が芸人であるためか所々に突っ込みが入ります。キューバ人はみんな陽気だと思っていたら実際はそうでもない、とか。
キューバと日本の比較の仕方が面白く、これは社会主義が色濃い国と資本主義代表のような日本との対比を正面からはもちろんあらゆる角度から観察してどう思ったのかが書かれています。
この観点は普段社会に疑問を持っていてもう少しで喉から出てしまいそうな、でもなんとか胃まで押し込んでいる人には大きく共感できます。
気楽に行こうぜ!
本誌で若林さんは社会主義に賛成しているわけではありません。しかし、資本主義万歳というわけでもない様子。
現代は激しい競争社会。それに警鐘を鳴らすわけでもなく、だからといって「立ち向かえ!」と提案するのでもなく。
筆者が読者に伝えたいのはもっと気楽に生きようということではないかと感じました。
最後まで読んでいただきありがとうございます。