やしちの読書レビュー

元大型書店コミックフロア責任者によるレビューブログ

『感想』イロモンガール 1巻

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こんにちは、やしちです。

 

今回は「イロモンガール 1巻」の感想になります。

「もくじ」

表紙にだまされるな!

主人公は売れない若手女お笑い芸人の碧海玲奈。表紙の女の子です。夢は日本中の女の子の憧れの的になる女芸人。

 

表紙をパッと見だと「また萌え漫画かよ」と思われそうですが、さにあらず。これはお笑い芸人というお仕事をテーマにした、お仕事コミックです。

 

確かに主人公の玲奈や同期の景ちゃん、少し先輩のあやめさんはルックスのレベルが高いです。こんなにかわいい女芸人は見たことがありません(失礼すぎる)。

 

しかし、そこにあるのは芸人としての悩み、挫折です。泥臭いです。

天然というよりも天真爛漫

玲奈は天然というよりも天真爛漫です。面白いと思ったネタはライブでこそ使わないものの(パクリになる)友人との飲み会などでは平気で使います。

 

売れている同期は普通、妬みの対象になります。その意趣返しとしてではありませんが、絶対に真似をしません。でも玲奈はしてしまう。面白いから。

 

ただ玲奈。天真爛漫であるがゆえ周囲の評価を気にしていません。自分が面白い=周囲も面白いの図式です。芸人としてこれは致命的でした。

 

飲み会でこのことに気がついた玲奈。お笑いが怖くなります。

 

あれだけライブやオーディションでスベっているのに気がつかないっていうのはすさまじい鈍感力です。誰も笑ってないんですよ。あるのは失笑。

ようやく芸人らしくなる

自分がスベっていることに気がついた玲奈。

 

それを見てシェアハウスで暮らしている先輩のあやめさん。

 

「ようやく芸人らしくなってきたわね」

 

芸人は常にお客さんからの評価にさらされます。それは素人の私が考えても恐ろしいこと。仕事としてならなおさらでしょう。

 

しかも事務所ライブで最下位だったらクビ、という宣告まで受けてしまいます。

 

むしろこれまでよくクビにならずにいれたもんです。懐が広い事務所なのか、芸人の事務所ってそういうものなのか?

 

そこから玲奈の猛勉強が始まりました。

大事なところでネタとばす(あるある探検隊風に)

クビのかかったライブ当日。お客さんの反応がいまいちなことからネタを飛ばしてしまいます。

 

コンビだったら相方がフォローできそうですがピン芸人の辛いところですね。

 

そこで玲奈、「何で笑わないの?」と逆切れ。これがなぜかウケてしまう。

 

この逆切れもネタと思えば斬新というか。女芸人の切れ芸と見れば珍しい。

 

そのまま言いたい放題言って舞台をはけます。

編集後記

私としては超ネガティブな景ちゃんが良い味だしてました。ネガティブですぐ死にたくなるんだけど、なんだかんだで玲奈を気遣っている。

 

同じ目標に向かってがんばっている若い人は見ていて気持ちがいいものです。

 

最後まで読んでいただきありがとうございます。

『感想』恋は雨上がりのように 1巻

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こんにちは、やしちです。

 

今回は「恋は雨上がりのように 1巻」の感想です。

 

スポーツ少女がおじさんに恋をしました。

橘さんの場合

この漫画は基本、橘さん目線で描かれています。

 

橘さんが思ったことは読者にも分かりますし、謎もありません。

 

今まで陸上で忙しかった橘さん。しかし練習中に足を怪我してしまい、もう陸上は断念せざるをなくなります。

 

どんよりとした気分の中寄ったファミレスで雨が止むのを待っていると、その店の店長がコーヒーをサービスしてくれたのでした。

 

そのファミレスでバイトを始めます。店長に惹かれて。

 

どん底だったとき、打算なく優しくされたことが好意へと変わったのでしょう。しかし今は大人として社会で働いている店長の姿に惚れている様子。

 

普段表情の変化に乏しく、店長の着ていたYシャツのにおいをかいだりちょっとアレなところがありますがかわいい女の子です。

 

店長以外の男性、たとえば同級生でサッカー部の吉澤くんは橘さんへ好意を寄せているのですがまったく相手にしていません。

 

そして1巻から店長に直接好意を伝えます。

 

この行動力はすごいものがある。これからバイト先で気まずいとかそういうのを上回ってしまうほど好きということで。

 

しかし店長は深く捉えていない様子。

 

陸上一筋だった橘さん。今までペディキュアをしたことがありませんでしたが、店長を意識しておしゃれも始めます。

 

しかしコンビニへ行く途中で橘さんのお見舞いにきた店長とバッタリ出会ってしまいます。

 

コンビニへ行くラフな服装で出会ってしまった橘さん。哀れ。

 

雨の中、もう一度好意を伝え、そのまま帰る橘さん。

 

これ店長から見たらちょっと怖くないか?お互いが好きであれば問題ないのかもしれないけれど。

編集後記

男性向けというよりも少女コミックに傾向が近いです。

 

おじさんから見た理想の女子高生、というよりは年齢の離れた男性に思いをはせる女子向けと思いました。

 

視点のブレもなく、台詞ではなく情景で読者に魅せるシーンが多いため感想は短めとなります。

 

今までで一番感想を書きにくかった…。

「『感想』重版出来 8巻」と、これから漫画家を目指す人たちへ

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こんにちは、やしちです。

 

今回は「重版出来 8巻」の感想になります。

「もくじ」

中田先生の場合

父親が世話になっている福祉事務所から封筒が届いたり電話連絡が来たり。電話連絡に切れてケータイを壊す中田先生。

 

これ壊したら編集者とも連絡取れなくなるんじゃないか?

 

なんとかして中田先生のデビュー作「ピーヴ」を成功させたい黒沢はプルーフ(書店員に見てもらう見本)を作ることに。

 

しかし父親のことがどこかで気になっているんでしょうか。仕事が進みません。そんななか母親と会うことに。

 

中田先生のこれまでが壮絶すぎて話が重くなりますね。出版業界である必要性を感じません。

 

なぜ子供時代悲惨だったから漫画なのか。首輪でつなぐような母親が漫画を買い与えるか。与えたとしてなぜ中田先生はここまでねじれたのか。

 

8巻の時点ではそれがはっきりしません。9巻に期待かな?

リアル書店員からみた編集とプルーフ

プルーフですか。書店員からすると凄く大変なやつ。なぜなら重版出来ではコミックのプルーフは珍しい扱いですが、実際はそうでもない。

 

そこそこに体力がある出版社は配ってきます。あとラノベのゲラ(これも見本)も凄い数来ます。

 

みんな大好き電○文庫。これの新人賞って全部見本あるんだぜ!スゲーだろ。あとはGAとガガガかな。ガガガは有名な先生の作品も送ってくる。

 

読めるか!

 

私はコミックやラノベが好きで担当になったのではなく、支社の担当売り上げで本社を抜いたため抜擢されての責任者でした。だからプルーフが本当に苦痛です。

 

あとピーヴ関連で編集の黒沢が書店員に意見を求めるシーンがあるんだけれど、そもそも編集と書店員が会うのってコミック部門ではありえない。

 

可能性としてはサイン会で先生の付き添いでくる編集とかですね。編集、気持ち悪いくらい先生に気を使っていますよ。

 

編集、営業、売り場がもっと連携できれば良い作品が出来るとはいわないけれど、売り上げは上げることが出来ます。

 

でも出版関係者はプライドの塊です。こちらが意見を挟む余裕なんてありません。売ってもらっているではなく、売らせてやってるが基本スタンス。

 

遅かれ早かれコミックで紙媒体はなくなります。これは断言できる。

黒沢の一人暮らし

閑話休題のお話し。

 

一人娘である黒沢の一人暮らしを両親はさびしがります。

 

一人娘だとそうなんでしょうね。でも人生で一度は一人暮らしを経験しておくべきだとは思う。

 

物件を探す中で谷中という場所にインスピレーションを覚えます。

 

レトロな街なのでしょうか。私は行ったことがないので行ってみたいですね。

 

その谷中に決めた黒沢。両親に許可をもらいついに一人暮らし開始です。

 

父親号泣。一人娘だとこうなるのか…。

マキタ先生の場合

自分が書きたいものではなく、周囲が求めている(と自分が思っている)ものを書くマキタ先生。

 

実際はマキタ先生みたいな漫画家多いですけどね。9割そう。「またかよ」とか思うしコミック担当ですら「何が違うの?」としか思えない。

 

担当編集の五百旗頭さんから「パンツを脱いでほしい」といわれる。

 

言いたいことはわかるけれど、はんこコミックを量産しているのはその編集の指示なんですけどね。実際は。

 

編集と本屋は接点ないけど先生と本屋は結構接点あるんですよ。超売れっ子(海賊王クラス)は来ないけど映画化した作品の先生なら割と来ていましたし。

 

あとはデビュー間もない新人さんとか。

 

さて、漫画家の飲み会に呼ばれたマキタ先生。そこで自分が好きな「ロッキー」を馬鹿にされます。

 

しかし、同じくロッキー好きなニールソン先生が馬鹿にしてきた人を論破しようとする。

 

ここは見方を変えればニールソン先生がロッキーは良い映画と周囲に押し付けているようにも見えるんですよね。

 

ただ、何かにつけて人の意見を「正解」とか「間違い」って言う人には腹が立ちますけどね。はいはい間違いですよ、お前の中ではな!

 

そこで何かが覚醒したマキタ先生は泣きながらロッキーが好きだと絶叫。描く漫画も五百旗頭さんから評価されます。

 

情緒不安定な人しかでてこないな、この漫画。

編集後記と漫画家を目指す人たちへ

重版出来は出版業界あるあるではありません。BL並にファンタジーです。

 

読者に媚びたコミックほど売れます。どこかで見たキャラクター、設定。その焼き直しで作品は回っています。これは事実。

 

パクリとかそういうのではもちろんありません。だから言いたいのは、これから漫画家やラノベ作家を目指す人たちへ。

 

既存の作品と似通ってしまうことを恐れないほしいです。売れている作品も全て焼直しです。新しい作品は絶対にありません。絶対です。

 

アレは「これ」のパクリ。よく見ますね。でも、その見方で行けば「これ」」もそれのパクリなんですよ。

 

だから周囲の評価を恐れず、描くのが好きなら続けるべきです。描き続けなければデビューできません。

 

毎月恐ろしい数の作品を仕事として読んで来ましたが、ずば抜けて面白い新人なんてほとんどいませんでした。どっこいです。

 

違いがあるとすれば売れるか売れないか。そこだけです。売れる作品が面白いわけでも新しいわけでもありません。

 

ただのメディア戦略の差です。版元の広告戦略の差です。

 

最後まで読んでいただきありがとうございます。

『感想』ガイコツ書店員本田さん 1巻

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こんにちは、元書店員コミック責任者のやしちです。

 

今回はこちら、「ガイコツ書店員本田さん 1巻」の感想を書いていきます。

「もくじ」

書店員あるある

どの話しも書店員あるあるですね。研修はその店によって違いがあるのでなんとも言えませんが、それ以外は概ねあるあるです。

 

異国のお客様然り、BLのくだり然り、版元の人然り。

異国のお客様

お客さんのなかではそこまで大変ではありません。言葉は通じませんがタイトルか表紙は万国共通なので。

 

あとは西洋の異国のお客さんはつたないですが日本語を話す人が多いです。東洋はしらん。

 

お客さんはとても和やか。日本の大型コミック売り場にまず感動されているのでしょうか。

 

あとお会計が大体5000円か10000円札ってのもお約束。

 

リアルでアメイジングを生で聞いたときの感動は忘れぬ。

BLのくだり

BLを購入されるお客さんは客単価が高いです。一人で複数冊買う人が多い。

 

お店から見れば上客です。

 

コミックでは美人が~などのくだりがありますが、趣味と見掛けは関係ないと思うの。

 

書店特典のペーパーをつける出版社が多いので、通販ではなく店舗で購入されるのでしょうか。

版元のくだり

仲が良い書店員と版元はいない(断言)。書店員が一番けんかをするのはここです。

 

・特典を発売日までに送ってこない(デフォ)

・注文してるのに注文きてないという(FAX注文で送信履歴があっても「きてない」と言いはる)

・50冊を5冊と間違える(日常茶飯事)

 

結果お客さんからのクレームは書店に来ます。出版社は何もお咎めナシ。「すいませ~ん」で終わり。趣向品を扱う店のミスへのクレームは結構すごいですよ。

 

電話で最後「馬鹿」をつける人とか。顔真っ赤にして怒る人とか。

 

元勤め先はかなりの大店でした。建物一つが本屋。そのなかの1フロアがコミックでそこを仕切っていました。

 

そんな大店相手にもそうなので、全国的にやらかしているのでしょう。まさに殿様商売。失敗が失敗ではなくなる。

 

…ぜぇぜぇ。

 

はっきり言おう。重版出来はファンタジー。フィクションではなく、ファンタジー。

総じて感想

このコミックでもかなりオブラートには包んでいますね。

 

いいかいみんな。本が好き。コミックが好き。おおいに結構。でも、そういう人だからこそ。絶対に書店には勤めたらいけない。

 

肉体労働と接客業、さらに仕入れ他店とのやりとりとマルチに大変です。

 

私はそこを辞めるまで、娯楽としてコミックを読まなかったから続けられたと思ってます。

編集後記

あの版元のあの営業だけは本当に嫌だった。絶対に忘れない。

 

営業なのに営業かける相手をむかつかせるスキル。しかもそれがまかり通る業界です。

 

あとカリスマ書店員ね。寒い寒い!

 

まあいいか。続きは次回の重版出来のとき書きます。

 

出版業界が続きます。分かってんな?逃げんなよ。

『感想』亜人ちゃんは語りたい 1巻

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こんにちは、やしちです。

 

今回は「亜人ちゃんは語りたい 1巻」の感想になります。

「もくじ」

平和な亜人ワールド

絶対数が少ないはずの亜人(『あじん』ではなく『デミ』と呼ぶ)に簡単に会えてしまった主人公の高橋先生。

 

しかもなぜか女の子3人と女性一人。

 

サキュバスデュラハン、雪女、そしてバンパイア。どれも伝承や御伽噺に出てくる、その中ではどちらかといえば「畏怖」の対象とされるものたちです。

 

コミック内ではそれぞれの亜人特有の悩みに先生が人間として相談に乗る。あとは先生の質問に亜人ちゃんたちが答えます。

バンパイア(ひかり)ちゃんの場合

いまどきの女の子でいつも明るい女の子です。でもどこか子供っぽい。先生に「今まで恋したことがない」とか相談できるあたりが凄い。

 

血を吸いたい欲求はあるものの、実際に直接人から吸うことはありません。国から毎月支給されている血液パックで足りるとのこと。

 

献血がはかどるな。

 

双子でしっかりものの妹がおり、普段はケンカが絶えないのですが本心では姉を気遣うやさしい女の子です。

 

先生に髪型を「かわいい」といわれたときにひかりの顔が赤くなるのですが、ここ萌えポイント高いですよ。

 

あの髪型はどういう仕組みなんだろう。

デュラハン(京子)ちゃんの場合

頭と体が分離しているデュラハンの京子ちゃん。第一印象からなのかクラスメートと距離を感じているようです。

 

デュラハン亜人のなかでも少ないようで、世界に3人しかいません。

 

ともすれば同級生がどのように接すればいいのか悩むのも分かる話ではあります。

 

彼女は亜人特有の悩みというよりも(そこはたくましく試行錯誤している)人付き合いという内気な新入生が持つ悩みですね。

 

それがデュラハンということで拍車をかけてしまいました。

 

甘えたがりなデュラハンちゃんは先生に頭を抱きしめてもらいますが、そのシーンをひかりに見られてしまいます。

 

このときのひかりの悪い顔がもうバンパイアです。

 

この一件があったからなのか、高橋先生のことを好きになった京子ちゃん。ひかりの悪巧みによってデートすることに。

 

体はひかりの家に置き、頭を先生が抱える形です。たくましい腕が好きなんでしょうね。先生は筋肉質な体格です。

 

楽しそうな京子に腹を立てたひかりはあろうことか京子の胸のトップをピンポンします。

 

いいぞもっとやれ。

サキュバス(佐藤せんせい)の場合

相手をエロイ気持ちにさせるサキュバスの佐藤せんせい(彼氏ナシ)。

 

先生にその気持ちがなくても催淫してしまうやっかいな?性質を持っています。しかしある程度自制もできるようです。

 

しかし意識を失うと勝手に催淫効果が周囲に及んでしまいます。そのため集合住宅はNG。山の中のボロ家に住まざるを得ません。

 

この時点で一番日常生活に支障をきたしている亜人ちゃんはサキュバスなんじゃないかなと思ったり。

 

ある日つまずいて転びそうになったところを高橋先生に助けられます。手に触れても平静を保っている先生を好きになります。

 

天性の女たらし。

 

実は高橋先生、ばっちり催淫されているのでした。佐藤せんせいはサキュバスでなくてもエロイと思う。でかい(確信

雪女(雪)ちゃんの場合

スーパー内気な雪女の雪ちゃん。

 

お手洗いに行こうとしたところ自分が悪く言われているのを聞いてしまいます。

 

ここまでであれば学校生活で亜人ちゃんでなくともありえることでありますが、雪はそれを自分が『亜人』だからと思ってしまう。

 

もうね、悪く言われるのは9割ひがみなんですよね。

 

それを相談された高橋先生はいっそう亜人ちゃんたちを守らねばと思うわけですよ。先生は女たらしだけど性格イケメンです。

 

こんな先生いたら高校生活からいじめは減るのにね。

 

それをこっそり聞いてしまったひかりは陰口を言っていた二人に突撃します。この子スゲーよ。

 

周囲の人間に普段助けられていることをしっかり分かっているからできるんですよね。

 

最後は雪ちゃんと陰口を言っていた二人は和解できたようです。

高橋先生に相談しよう

というわけで、先生は亜人ちゃんたちを集めます。何かあったら高橋先生か佐藤せんせいに相談しろよと。

 

ここで佐藤せんせい、自分も相談する側が良かったなと思ったり。

 

そうだよね。先生も亜人として特別な悩みを抱えているし、亜人以外のなやみ(主に高橋先生絡み)もありますからね。

 

ここでひかりの発言から佐藤せんせい以外のハグ大会に。

 

最後に京子の体のほうをハグしたのですが、あまりの胸の大きさに飛び上がる先生。先生、女性経験ないのでしょうか。

 

そのときあげた奇声に真っ先に質問をする佐藤せんせい流石です。ていうかこの人ダメだ。普通にエロイです。サキュバスです。

編集後記

亜人という種族が人間社会に溶け込んだ世界のお話。

 

特有の悩みもありますがそれだけではなく、私たち人間も持つ悩みが亜人であることで大きくなってしまう。

 

ひかりのように明るく毎日を過ごせる人ばかりではないですからね。雪のように内気になってしまうのが普通ではないでしょうか。

 

出版後すぐ話題になって重版も早いコミックだったことを覚えています。なるほど、確かに面白い。

 

「萌え」や「かわいい」部分もありますが、それよりもまるで亜人が実際にいるかのように思えてしまう、その彼女たちの一端を垣間見れるようなところが面白いです。

 

リアリティがありました。

 

最後まで読んでいただきありがとうございます。

『感想』健康で文化的な最低限度の生活 2巻

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こんにちは、やしちです。

 

今回は健康で「文化的な最低限度の生活 2巻」の感想になります。

「もくじ」

人間の尊厳

1巻から引き続き「緊張すると咳き込んでしまう阿久沢さん」のお話。債務整理のため法テラスを勧められますが、頑なに断り続けます。

 

痺れを切らした主人公のえみるは強引に法テラスへ連れて行こうとしますが、それに怒る阿久沢さん。

 

それまで温厚だった人が見せる怒り。たとえ自分のための行動と分かっていても。

 

そこで半田さんが「人間は尊厳を穢されたくない」という言葉。

 

そうなんですよね。偉い人は尊厳を踏みにじられたと思うとかんしゃくを起こしますが、それは偉い人に限ったことではない。

 

社会的弱者もたとえ親切であったとしてもむやみに踏み込んではほしくない領域はあります。病人だろうとスクールカースト底辺だろうと。

 

阿久沢さんにとって、それが債務整理だったんですね。自分が作った借金は自分が返さなければならない。

 

返すために使っているお金が生活保護で、本来の意味とは違う使い方をされているところは問題ですが。

 

まずは相手の話を聞いてあげる。ベテラン職員半田さんはそこから始めます。すると阿久沢さんも心を開いてくれる。

 

最終的には法テラスへ赴いたところ、借金は返済済みでしかも過払い金まで発生していました。

 

過払い金は結構あるみたいですね。CMでも言っていますが複数の場所から借金している人は一度考えるのもアリなんでしょうね。

 

そのあと、えみるに向かい「ありがとうございます」といい深く頭を下げた阿久沢さん。

 

ここで涙腺崩壊ですよ。

 

えみるは阿久沢さんに直接何かをしてあげたわけではないかもしれない。仕事として職員としてやさしく接していただけかもしれない。

 

でも、本当に心底困っている人は、そんな周囲から見れば小さな暖かさでも火種でも本当にありがたいんですよね。

日下部家のケース

お祖父さん、お母さん、男の子と女の子のお子さん二人。

 

今回はこの男の子(高校生)がメインんの話し。

 

最初えみるが家庭訪問したときは大変ではあるものの順調です。昔素行が悪かった息子もギターに出会えたことで更正している最中でした。

 

人は夢中になれるものがあると強いですよね。視野が明るく広がるというか。私もブログを書くのに夢中です。

 

しかし、その息子が実はバイトをしていたことが発覚します。バイトなどの収入があった場合は申請しなければならないんですね。

 

これは失業保険受給中もです。このことに詳しい高校生なんてまずいないので、申告漏れは仕方がないんじゃなかな。母親も知らなかったみたいですし。

 

バイトで稼いだお金でCD購入などの音楽に費やしていました。

 

普通に見れば真っ当どころかかなり立派な息子ではないでしょうか。家が生活保護を受けていることは知っていて、迷惑かけられないから自分で稼ぐ。

 

できそうでできないことだと思いますよ。大学生でもバイトせずにお小遣い生活の人いましたし。

 

稼いだ分は国に返さなければなりません。それを知った息子はギターを壊し、CDを割る大暴れ。そこは元不良ですから。

 

これ、生活保護の制度に問題あると思うんですよ。生活保護は最低限度の生活を送るための制度で、その基準は家族構成にもよると思うんです。

 

一人暮らしと四人家族では毎月出るお金も違いますよね。

 

それこそ働いた理由や家族内で誰が働いたのか、未成年かどうかを考慮するべきだと思うんです。

 

社会復帰と社会で飼い殺すのとは違うわけで、社会復帰してほしいための制度ですし。

 

最後は息子、離婚した父親に助けを求めに行きますが家の前まできて今の幸せそうな父親の家族を見て断念します。

 

父親には助ける義務あると思うんですよね。未成年の子供が二人もいて今困っていないわけですし。察する義務があるんじゃないかな。

編集後記

この漫画はアニメ化は難しいでしょうね。ドラマ化ならできそう。

 

政治家がテレビでああだこうだ言ったり、社会批評家がその政治家を批判したりしていますが何も意味がないです。

 

政治家の不倫とかどうでもいいんだよ。そんなやつは辞職させて、もうそれ以上追及しなくて。

 

社会のこと、福祉について学びたいのであればこの漫画を強くお勧めします。政治番組より余程学べる。

感想『亜人 1巻』

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こんにちは、やしちです。

 

今回は「亜人 1巻」の感想になります。既刊をまとめがいしています。

「もくじ」

死ねばわかる

鮮烈なキャッチコピーでアニメ化、映画化もされました。

 

まずこの漫画を読む上で前提となる『亜人』とはなんなのか。

 外見は通常の人間と同様だが、死亡した際には即座に蘇るという驚異的な再生能力を持つ存在。ただし死に至らない限り再生能力は発揮されないため、例えば手足を失ってしまった場合には一旦死亡することでしか再生することはない。したがって人間は死亡するまで、自身あるいは他者が亜人であるということを知ることが出来ない。(wikiより)

つまり一度死なないと自分が亜人かどうかわからないということですね。

 

亜人についての設定がとても細かく、引用部分だけでは書ききれません。

亜人は懸賞金がかけられている

先のように亜人は死んでも生き返ってしまうため畏怖の対象とされています。しかしその特異性から研究材料として高額の懸賞金もかけられています。

 

主人公の永井くんはある日トラックにひかれるまで自分が亜人だとは思っていませんでした。

 

しかし、一度ひかれて死んでしまい、生き返ることで亜人だと判明します。

 

今まで自分には関係ないと思っていた亜人が、まさか自分もだとわかったとき。永井くんの逃亡劇がはじまりました。

ドライな主人公?

すごい頭がよく合理的で行動的でも、永井くんのような高校生は日本に一人もいないでしょう。

 

というのも1巻を読んでいると彼の性格は結構ブレています。

 

たとえば自分を懸賞金目的に捕獲しようときた人間を心配するシーン。永井くんは友人のケイくんとともに逃避行していてそのケイくんが殺されかけます。

 

それでも殺されかける前までは「これをしたら自分を追ってきた人間が死ぬかもしれない」と心配します。

 

しかし1巻最後では自分の大切な人に危害が及んだらソイツを殺すとも言っている。

 

コミックとしてみるとキャラクターが固まっていないようにも思えます。1巻の永井くんは自分は『亜人』であるということを受け入れるところ、でしょうか。亜人になると性格も変わるのか?

 

それともドライを装った熱血なのか?考え方が変わった、ということでしょうか。

佐藤さんと田中氏

この二人も亜人で田中氏は国の研究機関で残虐な人体実験の被験者でした。それを知った佐藤さんが田中氏を助けます。

 

その場にいた研究員を皆殺しにして。そして亜人の権利を確立するべく佐藤さんの計画に力を貸すことにした田中氏。

 

私はこの田中氏が一番人間の感覚にリアルだと思います。

 

体をプレスされたりわけのわからない薬を投与されたりしていくら生き返るとはいえ恨まないことはありえません。

 

普通であれば復讐を考えるでしょう。

 

私は人間ですが主人公よりもこの二人のほうに私は感情移入してしまいました。

戸崎(トサキ)と下村さん

フリスクを一度に大量に摂取する戸崎とクールだけれどどこか抜けている下村さん。この下村さんは亜人なんですね。まつげ長いな。

 

研究機関側の人間なのに被験者になっていないのには何か理由があるのでしょう。暗殺者などの知識や戦闘にも長けているようです。

 

田中氏と下村さんは黒い影みたいなミイラみたいなのでの戦闘シーンがあります。

 

生身の人間であればワンパンチで殺せるパワーを持っているようですが、1巻では何なのかわかりません。

 

永井君の妹を警護していた警官は完全に捨て駒ですね。戸崎はこの影のことを知っていただろうし。

グロ注意

本編では人体の切断や田中氏の人体実験など、残虐なシーンが多く見られます。亜人の不死身との比較なのでしょう。描写がかなりリアルです。

 

社会のアングラな部分(不良が女の子を襲ったり人間のお金への汚さなど)も出てくるので、苦手な人は避けたほうがよさそうです。

キャラ付け

1巻ですしキャラクター付けの段階なのでしょう。それにしても「かっこつけすぎ」なところも多いです。よく言えばスタイリッシュ。

 

頭がいい人とそうではない人の対比もはっきりしています。0か100か。強い弱いも同じですね。

編集後期

ハリウッド映画でありそうな人物設定というか、キャラクター付けというか。漫画の手法ではないように思えました。

 

亜人という設定はかなりユニークだと思います。死なない、不死身がテーマなものはありましたが、それが絶対強者ではなく捕獲される側というのは珍しいのでは?

 

最後まで読んでいただきありがとうございます。