『感想』健康で文化的な最低限度の生活 2巻
こんにちは、やしちです。
今回は健康で「文化的な最低限度の生活 2巻」の感想になります。
「もくじ」
人間の尊厳
1巻から引き続き「緊張すると咳き込んでしまう阿久沢さん」のお話。債務整理のため法テラスを勧められますが、頑なに断り続けます。
痺れを切らした主人公のえみるは強引に法テラスへ連れて行こうとしますが、それに怒る阿久沢さん。
それまで温厚だった人が見せる怒り。たとえ自分のための行動と分かっていても。
そこで半田さんが「人間は尊厳を穢されたくない」という言葉。
そうなんですよね。偉い人は尊厳を踏みにじられたと思うとかんしゃくを起こしますが、それは偉い人に限ったことではない。
社会的弱者もたとえ親切であったとしてもむやみに踏み込んではほしくない領域はあります。病人だろうとスクールカースト底辺だろうと。
阿久沢さんにとって、それが債務整理だったんですね。自分が作った借金は自分が返さなければならない。
返すために使っているお金が生活保護で、本来の意味とは違う使い方をされているところは問題ですが。
まずは相手の話を聞いてあげる。ベテラン職員半田さんはそこから始めます。すると阿久沢さんも心を開いてくれる。
最終的には法テラスへ赴いたところ、借金は返済済みでしかも過払い金まで発生していました。
過払い金は結構あるみたいですね。CMでも言っていますが複数の場所から借金している人は一度考えるのもアリなんでしょうね。
そのあと、えみるに向かい「ありがとうございます」といい深く頭を下げた阿久沢さん。
ここで涙腺崩壊ですよ。
えみるは阿久沢さんに直接何かをしてあげたわけではないかもしれない。仕事として職員としてやさしく接していただけかもしれない。
でも、本当に心底困っている人は、そんな周囲から見れば小さな暖かさでも火種でも本当にありがたいんですよね。
日下部家のケース
お祖父さん、お母さん、男の子と女の子のお子さん二人。
今回はこの男の子(高校生)がメインんの話し。
最初えみるが家庭訪問したときは大変ではあるものの順調です。昔素行が悪かった息子もギターに出会えたことで更正している最中でした。
人は夢中になれるものがあると強いですよね。視野が明るく広がるというか。私もブログを書くのに夢中です。
しかし、その息子が実はバイトをしていたことが発覚します。バイトなどの収入があった場合は申請しなければならないんですね。
これは失業保険受給中もです。このことに詳しい高校生なんてまずいないので、申告漏れは仕方がないんじゃなかな。母親も知らなかったみたいですし。
バイトで稼いだお金でCD購入などの音楽に費やしていました。
普通に見れば真っ当どころかかなり立派な息子ではないでしょうか。家が生活保護を受けていることは知っていて、迷惑かけられないから自分で稼ぐ。
できそうでできないことだと思いますよ。大学生でもバイトせずにお小遣い生活の人いましたし。
稼いだ分は国に返さなければなりません。それを知った息子はギターを壊し、CDを割る大暴れ。そこは元不良ですから。
これ、生活保護の制度に問題あると思うんですよ。生活保護は最低限度の生活を送るための制度で、その基準は家族構成にもよると思うんです。
一人暮らしと四人家族では毎月出るお金も違いますよね。
それこそ働いた理由や家族内で誰が働いたのか、未成年かどうかを考慮するべきだと思うんです。
社会復帰と社会で飼い殺すのとは違うわけで、社会復帰してほしいための制度ですし。
最後は息子、離婚した父親に助けを求めに行きますが家の前まできて今の幸せそうな父親の家族を見て断念します。
父親には助ける義務あると思うんですよね。未成年の子供が二人もいて今困っていないわけですし。察する義務があるんじゃないかな。
編集後記
この漫画はアニメ化は難しいでしょうね。ドラマ化ならできそう。
政治家がテレビでああだこうだ言ったり、社会批評家がその政治家を批判したりしていますが何も意味がないです。
政治家の不倫とかどうでもいいんだよ。そんなやつは辞職させて、もうそれ以上追及しなくて。
社会のこと、福祉について学びたいのであればこの漫画を強くお勧めします。政治番組より余程学べる。